Q1. 《ラ・ペッレグリーナ》ってなーに?オペラ?
これは演劇だよ。バルガーリっていう人が書いた全5幕の喜劇。これは演劇だから音楽があったわけじゃなくて、インテルメディオで音楽が演奏されたんだ。
Q2. インテルメディオってなーに?
ルネサンス時代、演劇はだいたい5幕あったんだけど、その幕と幕の間にまったく別のお話を挿入してたんだ。それがインテルメディオ!実は16世紀後半にもなると、本体の演劇よりインテルメディオの方が、歌あり、踊りありで楽しいから、みんなそっちを期待してたんだって。今回のインテルメディオは、《ラ・ペッレグリーナ》の最初、幕間、そして最後にもあって全部で6つあるんだ。もうどっちがメインか分かんないね!
Q3. 6つのインテルメディオって、1つのストーリーなの?
第1インテルメディオと第6インテルメディオは似てるんだけど、第2から第5まではそれぞれ全く別のシーンなんだ。でもどのシーンも結婚するフェルディナンドとクリスティーナを祝う点で一致しているんだ。
Q4. フェルディナンド・デ・メディチってどんな人?
10代で枢機卿になったんだけど、38歳の時に、当時トスカーナ大公だった兄のフランチェスコが急死して、代わりにトスカーナ大公になったんだ。大きなイベントが好きだったみたいで、この《ラ・ペッレグリーナ》は自分の結婚式のためのイベントだし、1600年には姪を嫁がせるために盛大なイベントを催したことでも知られているんだ。ちなみにその時に上演されたのはペーリの《エウリディーチェ》。音楽史上、現存する最古のオペラって言われてるヤツ。
Q5. それぞれのインテルメディオってどんな内容なの?
今回エクス・ノーヴォで取り上げるのは第1、第4、第5、第6インテルメディオで、第1は天界からアルモニーア(調和)をはじめ、たくさんの精霊が降りてきて、フェルディナンドとクリスティーヌの結婚を祝福するんだ。第4は火の精霊と地獄の死者たちが、フェルディナンドによる統治で世界が安定することを予言。第5では、海のシーンで船上でのアリオーネのお話が繰り広げられ、第6は第1同様に、天界から神話の神々が登場し、ジョーヴェが人間に音楽を与える、という設定になっているんだよ。
Q6. 誰が作曲したの?
当時フィレンツェの大聖堂の楽長だったクリストーファノ・マルヴェッツィという作曲家が大部分を作曲していて、その他に、アントーニオ・アルキレーイ、ジューリオ・カッチーニ、ヤーコポ・ペーリ、エミーリオ・デ・カヴァリエーリといった当時の有名人が幾つかの曲を作曲したんだ。今回演奏しない第2、第3インテルメディオはルーカ・マレンツィオが作曲を担当したんだよ。
コメント